top of page
  • 執筆者の写真Yuko O

480 Otis

更新日:2023年12月29日

Otisは2001年にyoung adultとして初めて観測されました.

ブルックス川に現れる雄ぐまの中で最も高齢だと推測されています.

彼の居場所は Officeと呼ばれる場所で、滝のメインカメラ(BF)の向こう岸にある一角.

岩場を背にしてじっと滝の下周辺を行き交うサーモンを待っています.

水の奥を凝視して動かず、サーモンを待っているのか心の中を漂っているのか...

そんな彼の様子は「Zen time」と呼ばれたりもします.

Bear watcherは、静かに黙々と生きるOtisの姿を見て、慰められたり励まされたり人生について考えさせられたり...

毎年、冬眠明けのOtisが現れるのを心待ちにしているのです.


ところが今年はサーモンラン同様、Otisの到着も遅れました.

若い雄ぐまでも人的あるいは自然の厳しさゆえ、多くの危険に囲まれているbrown bear.

もしかしたら命の灯火が消えてしまったのではないだろうかという心配の声も上がり始めた7/26、彼は姿を現しました.

背骨や肋が浮き出ている状態で、足取りも昨年よりおぼつかない彼を見て、胸を締め付けられたのは私だけではありません.

今年はサーモンの量が少なく、どのくまにとっても厳しいシーズンです.

老齢のOtisにとってはなおさら.

無事ブルックスフォールズに着いたものの、夜が訪れ他のくまが去った後ひとりOfficeに立つ姿を見ているのは辛いものでした.


Otisが夜もOfficeに立っていた理由はサーモン量の少なさだけではありませんでした.

昨年まではどのくまも侵さなかったOfficeに151Walkerが入り込んでくることが増えたのです.

151に押され、Officeを空け渡すOtis.

そんなシーンが何度も見られました.

それでも彼が優秀サーモンキャッチャーであることに変わりはなく、すぐそばの川縁の窪みなどを利用して昼寝を挟み、昼夜粘り強くサーモンに挑み続け、少しづつ体も丸くなってきました.


ですが、1週間前の8/22AKDT、彼は姿を消してしまったのです.


その直前、Otisはキャッチした魚を151Walkerに奪われて滝を去っていました.

最後に見られたのは滝を下った大きな中洲のあるRWカメラ.

そこは雄ぐま同士の争いや急流に飲み込まれる危険がないため、親子がよくいる場所.

親離れしたばかりの若いくまたちがよく戯れているのどかな地帯です(今年は何故か釣り人の姿が時々見られゲンナリしているのですが...).

滝のように活きがいいサーモンはいませんが、弱ったりすでに死んでしまったサーモン

でもくまにとっては十分な栄養となるのです.

この場所で、誰にも邪魔されずにゆっくりとサーモンを齧っているOtisが見られ、その時は誰もがほっと胸を撫で下ろしました.

そうそうOtis.

どこにいてもあなたの尊厳は変わらない.

今年はそのあたりでのんびりと過ごすのもいいのでは...


しかし、次の日からOtisはどのカメラにも現れませんでした.


「この時期、Otisはwalk aroundに出るんだよ、ベリーを探しながら小川に行ったんだろう」

「今年は滝のサーモンも少ないからマーゴットクリーク(12マイル=20キロ離れた場所、夏の間ここで過ごすメンバーも多い)まで行ったかもしれないよ」

「昨日、レンジャーが彼の姿を見たと言っていたから、期間限定で映っていない最下流のカメラ(ナクネク湖を向いたKRVカメラ)が稼働すればそこに彼の姿があるかもしれないね」


Bear watcherたちは皆、希望を持っています.

Otisはきっとその希望を背負って歩き、サーモンをキャッチし、ベリーを齧り、無事に冬眠することでしょう.

もしかしたら秋になって、ブルックス川に戻ってくるかもしれません.

川はいつでも彼を待っています.





閲覧数:13回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Commenti


bottom of page